僕はWeb制作系の仕事をしています。
その中で「この人はすげー有能だな」と思う事もあれば、「この人は優等だな(ディスり)」と思うこともあります。
というわけで今回は
・優等は仕事で苦労する
という話をします。
※アイキャッチ画像は、僕にとっての有能の代名詞「カイジ(中国版)」
「優等」と「有能」の違い
完全に自己解釈ですが、当記事では一旦「優等」と「有能」を以下のように定義します。
- 優等
-
・与えられた仕事を器用にこなす
・最適解を見つけるのが上手い
・良い子ちゃん
・疑問を持たない
- 有能
-
・自分で必要な情報を揃える
・最適解を自分で探し出す
・疑問を持つ
もっと極端にラベリングするならば、
有能 → 自分で最適解を見つけ出すリーダー
という感じです。
では、この定義づけを元に「仕事」というフィールドでそれぞれの活躍を見ていきます。
「優等」の仕事ぶり
優等には説明書が必要です。
目的を達成するために何をすべきか、それらを提供されて初めて真価を発揮する。
僕が広告業界に居るのでデザインで例えます。
「優等なデザイナー」は、ディレクターから何か情報を与えられたら、それをそのまま受け取り、真っ先にデザインソフトを起動し、手を動かす。
最初から情報が揃っていたら高品質なものを作れるが、それが不足していた場合、その不足に気付かず、または「この中から作らないといけない」という制限の中で制作しているため、要件不足な成果物が出来上がる。
つまり品質は仕事を振るディレクターに依存する部分が大きい。
「有能」の仕事ぶり
有能は説明書から疑ってかかるめんどくさい奴です。
何故それをすべきか?
他に方法は無いのか?
と疑念が渦巻くため、初手は人より遅い傾向にあります。
しかし自分なりの指針を見つけた「有能」は力強く、確実な成果物を作り上げます。
こちらもデザイナーで例えますが、成果物を作り終えた後のレビューで「こういう事じゃなかったんだよね」という事になりづらい。
ディレクターから与えられた情報を疑い、疑問があれば質問、相談し、本質を理解したうえで取り組みます。
「真っ先にデザインソフトを起動する」のではなく、「まず情報を集める」ことを優先します。
この二者は「選択肢を与えられた後」の行動が大きく違う
「優等」は、マークシートテストのように与えられた選択肢の中から答えを導きだします。
対して「有能」は、「この選択肢以外の選択肢はあるのか?」をまず考えます。
「優等より有能の方が良い」かどうかはシチュエーションに依るでしょう。
例えば飲食店バイトなど、フリーター的立ち位置のように「上からの指示をそつ無くこなせる人材が欲しい」という環境であれば、最低限「優等であること」が求められます。
対してクリエイティブ職、または頭脳労働系の環境のように「ポジションに関わらずどのプレーヤーも自分で答えを探し出す力が必要」な場合、(または「リーダー」などは)優等なだけでは務まりません。
それはマニュアル外の事が発生した際に、経験則に導いた答えを自分で出さなきゃいけないから。
「有能」になるには経験が必要
まだ業界に対する理解度・解像度が低い場合、
(ここで疑い始めたら、よほどの秀才じゃない限り一向に前に進めないから)
その時点では「優等」を目指すことになるでしょう。
しかしある程度経験値が貯まったら、ちゃんと「有能」にシフトしないと「仕事を与えても間違った方向に突き進むことのある無能」となってしまう。
有能になるには経験値が必要ですが、経験値が貯まっても与えられた選択肢内でウロウロしていたら、一向に有能にはなれない。
「有能」の第一歩
仕事において有能を目指すのであれば、細かく確認する癖を付けること。
上長や客先から「◯◯をして欲しい」という仕事をもらったら、まず
・▲月▲日までにやります
と認識確認をして、不安な要素を取り除きます。
仮に「上司は~と言っていたけど、これA、Bどっちの意味だろう?」となった場合、
「でもまぁ常識的に考えて7割くらいはAの意味合いだから、その方向でやろう」と捉え、「承知しました!」と返信して取り組むのが優等(な無能)です。
これは作り終えた時点で「いやこういう事じゃなかったんだよね」と言われる可能性を孕んでおり、
案の定「Bも思いついていた事がバレる」と“じゃあ聞けよ”って言われるから「そっちの可能性は思い付きませんでした」と嘘を吐く事もあったり。
もし
「Aの方で進めて良いですか?」
と毎回聞いてたら
「いやBだよ、だいたい分かるだろ」と投げ捨てられることもあるかもしれませんが、もしそこがダルかったら、
「◯日を提出目処にAで進めますので、もし乖離ありそうであればご指摘ください」
のように、質問ではなく断定で進めていけば、ログも残るしラク。
優等と有能の違い。社会には「無能な優等」が多すぎる:まとめ
・優等は、与えられた選択肢から答えを見つける“ことしか出来ない”
・有能は、与えられた選択肢の不足に気付き、必要な物を揃える努力を怠らない
・本質を理解してから着手するので、目的を履き違えない。もしくは依頼人と同じ地点まで理解する事を怠らない。
話が少し逸れましたが、「優等」から「有能」にシフトする瞬間は、ナチュラルには来ません。
しっかりと意識してシフトする必要があります。