2012年12月4日
全て4で割り切れる数字が揃ったその日、僕はなんとなく種子島に行った。
もちろん事前予約はしていたが、決心したのは本当になんとなくだった。
普段インドア派で旅行なんて相当してないのに、急に一人で「島」に旅したくなった。
だから行った。
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まず種子島まで行く
福岡から「夜行バス」→「フェリー」を乗り継いで種子島まで。
まずは福岡から乗った夜行バスを鹿児島で降りた。
正直、当時はブログもやってなかったし、写真に(今でも)興味が無いのであまり写真を撮るつもりは無かったが、のっけから非日常を感じたので撮影した。
なんとなくワクワクした。
そして人生初のフェリーに乗って種子島へ。
まず最初に行っておくが、種子島は正直「微妙な観光地」だ。
そしてそんなことはみんな知ってる。
だから「屋久島行き」のフェリーは中々混んでたけど、種子島行きはガラガラだった。
船内の光景や、船内で何をしてたかは一切覚えていない。
やっぱり写真撮っておけば良かった。
とりあえず種子島に着いた
船から降りたら、いつも住んでる九州とは違うという事に少し興奮した。
「レンタカーあります」というフリップを持った人が何人かいた。
正直、レンタカーを借りる予定だったので声をかければ良かったのに、彼らがいわゆる「キャッチ」であることに気付かなかったのと、恥ずかしくて声をかけられなかった。
もし種子島でレンタカーを借りたいという人は、きっとフェリーのタイミングに合わせてキャッチが待っているはずなので、彼らに声をかければいい。
僕は結局Googleマップで近くのレンタカー屋を探した。
僕はたまたま「タクシー×レンタカー」という形式で運営してるお店でレンタカーを借りた。
まず店の前を通ったら、タクシーのドライバーがスーツ着たままスケボーに乗ってた。
いくらなんでもふざけ倒してる。
だから僕はそのふざけた店でレンタカーを借りることにした。
そして写真を撮らせて頂いた。
ザ・フリーダム。
さすが島だ。
良い笑顔。
今改めてグーグルマップで調べたが、「はやしタクシー」という会社だったらしい。
あぁ、覚えてる。見覚えがあるぞ。
このドライバーさんはまだ生きているのだろうか。
もう6年も前だ。
僕がまた種子島に行かない限り、いや、種子島に行ったうえでまたそのタクシー屋に行かない限りこのおじさんと会う事はない。
その事実が少し胸を締め付ける。
おじさんは僕のことなんて覚えていないだろう。
「3日間借りるんですか?レンタカー借りるよりタクシーの方が良いですよ。」
なんて詐欺ろうとしたくせに。
詐欺の事実を知ったうえでさっきの写真を見ると凄い黒い笑顔に見える。
レンタカーでドライブしつつ、通りがかったコンビニ(ファミマ)に寄った。
品揃えは思った程悪くない。
店員がかなりパンキッシュだった。
26歳くらいの男で、鼻や口をピアスで飾っていた。
なんて良い島なんだ。
さて、その次は「民宿」に向かった。
僕が2泊する宿は「白南風(しらはえ)」という民宿だ。
入口にダックスフンドがいたことは覚えてる。(上記リンクの”アクセス”の中で紹介がある犬)
サイトの中では2歳と紹介されている。
サイトが更新されていないことも考えると、きっと今まだ生きてたら10歳くらいだろうか。
できればまだ生きていて欲しい。
犬の命というのはなんでこうも胸を締め付けるのか。
電話して「犬はまだ生きてますか」って確認したいくらい苦しい。
とりあえず白南風の場所だ。
さて、ここからは少し時間軸がおかしくなるが、「民宿しらはえ」の写真をまとめて解放する。
な、なんと、民宿で撮影した写真はこれしか無かった。
これじゃあ解放も何もない。
きっと当時の僕は「囲炉裏が珍しいなぁ」と思いながら撮ったのだろう。
確かに囲炉裏が珍しい。
あと魚も新鮮でおいしかった。
今だからこそ会社の金でそこそこの居酒屋でちゃんとした刺身の味も覚えたけれど、当時は刺身と言えばスーパーで買ったものくらいしか食べたことが無かった事も含め、とてもおいしいと感じた覚えがある。
後は、「安納芋」という種類のさつまいもをやたら食べた。
安納芋は種子島の名産品だ。
凄く甘くて、囲炉裏で焼き芋にして食べるのは本当においしかったし、楽しかった。
結構どの食事でも安納芋は出てきた。
引用ねっとり甘~い♪ ”口福”になる安納芋レシピ | キナリノ
さて、次からは「種子島をひたすらドライブしたり歩いた時に撮った写真」を解放する。
今度こそ解放する。
2日かけて種子島散策
その前に種子島の気候について書かなければ。
12月というのに、種子島は全然寒くなかった。
僕は福岡に住んでいるが、12月は普通に寒い。
冬物のコートを当たり前に来ていた。
しかし種子島は秋物のパーカーを羽織るくらいでちょうど良かった。
一応みんなには「そういう感じの格好の奴が旅をしてる」というのをイメージしてもらいつつ当記事を読んでもらいたい。
できるだけ臨場感を増すためにね。
真っ先に立ち入り禁止のところに向かった。
なんだこれ急に萌えるだろ。
僕は廃墟フェチだ。
廃墟の写真集を3冊持っている。
そしてこの廃墟の種子島空港。
なんと僕が泊まった民宿しらはえの隣にある。
こりゃ行くしかないだろう。と思った。
決して褒められた行為では無いのだろうが、この時に僕は最高のスリルと興奮を味わっていた。
普段から廃墟っぽい建物を観ても、入りたい気持ちを理性で抑え踏ん張ってきた。
しかし今回は「こんなド田舎じゃ誰も見ていないし誰もいない。」という事に加え、僕の性癖が「広い廃墟」に傾いていることから、今回は思い切って踏み込んだ。
「広い廃墟」なんてそうそうない。
あっても「そこそこ広い廃屋」くらいだ。
その後僕はひたすらドライブした。
天気と撮影テクニックの無さが相まって分かりにくいが、海は本当に青い。
青い海。
白い砂浜。
緑の芝生。
まるでリゾート地みたいだ。
全てのオブジェクトが地味にしょぼいのが良い。
あー。こういう景色は本当に好きだ。
言い忘れていたが、宇宙ステーションというのは別に有料とかでもなんでもない。
普通に車を運転してたら、いつの間にか宇宙ステーションの構内に入っている。
ガチの構内は有料、もしくは立ち入り禁止かもしれないが、ある程度の範囲までは結構ナチュラルに近づける。
朝方に撮ったやつだ。
緑の中にある人工物。
とはいえこれは「ロケットにみせかけたもの」であり本物ではないので僕は燃えない。
とりあえずこの話は置いとこう。
ある被写体に対して、「これは映えるからいろんな角度から撮ろう」と撮影が上手い人は思うのだろうが、当時の僕は「ここからの景色が一番好きだからここからの景色だけをたくさん撮ろう」と考えた。
だから同じような写真ばかりがある。
Googleマップにも、どのサイトにも情報が無かったので結構穴場だったと思われる。
たぶんこの写真の場所が種子島で一番高い。(自信ない)
宇宙ステーション近辺の写真はそこで撮影したと思われる。
唯一の自撮りかもしれない。
気取っている。
今調べて分かったが、「竹崎展望台」という場所で撮影したらしい。
次から海の写真を解放していく。
岩肌は本当に滑らかだった。
どこで撮影したか良く覚えていないので、キャプションは「もしかしたら」というレベルの記憶だ。
でも今ググったら「千座の岩屋」と出てきたので、たぶんそこの写真だと思う。
あー間違いない。
場所を見て思い出した。
この写真は間違いなく「千座の岩屋」だ。
近くの公園(そんな近くない)みたいなところに駐車して歩いてここまで来たが、風が強くて砂が目に入りまくったのを覚えている。
写真を観ても分かるが、海がうっすら青い。
キレイだ。
種子島で有名な観光地らしい。
写真を見て分かる通りかなり海がキレイだ。
海のきれいさが分かる写真は、実はこの1枚しか無い。
象に見えるからこんな名前が付いている。
もっと冒険してこの象の上に登ったりすれば良かった。
あー。いつ見ても癒される。
キレイな自然写真は世の中にいくつもあれど、やっぱり「自分で撮影したもの」というのは、その時の記憶が呼び起こされることもあり、かなり癒される。
ちなみに僕は別のところに登った。
落ちたらどうなってたか。
死にはしないだろうが危なかったかもしれない。
若者の一人旅だったんだ。少々の危険行為は大目に見て欲しい。
ここからの写真は、「お泊り最終日の夕方」に撮影した。
だから自分では、閲覧するだけで特にノスタルジーな気持ちになる。
福岡じゃそう見れない光景だ。
美しい。
なんて美しいんだ。
そして時間帯も完璧。
振り返った時の曇り具合も最高。
海も本当に美しかった。
種子島の何が良いって、「絶妙に中途半端なところ」だ。
中途半端な観光地だから人がいない。
誰も来ない。
僕はこの広くて美しい夕暮れ時の海で、一人でエモを聴いて叫んで歌ったんだ。
誰にも邪魔されなかった。
本当に楽しかった。
嬉し泣きした。
美し過ぎて泣いた。
そして、「ザ・シークレット」のラストシーンを再現した。
僕は本気で神に感謝した。
導かれるままに、いや、誰にも導かれずともこんな素晴らしい場所に来たこと。
自由なこと。
世界が素晴らしいこと。
全てに心から感謝した。
本当に美しかった。
心の底からリラックスしたし、同時に興奮した。
リラックスと興奮が同時に、最高潮に感じられたのは、本当に種子島(とエロイこと)くらいかもしれない。
種子島一人旅最中の日記
そういえば僕は2012年頃から毎日日記をつけている。
押し入れの中から日記を取り出し今読んでいる。
さて、少し恥ずかしいがこの日記の内容も解放しよう。
12月3日(月)の日記
“
高速バス、高速船を乗り継ぎ無事種子島へ。
まず本物の青い海に感動。
レンタカー借りたりなんたりであまり観光はしていない。
”
12月4日(火)の日記
“
早起き。宇宙ステーションと重ねて見る朝焼けにマジで感動した。
風が強くて寒い中、ボロボロになりながらかけまわり、たくさんの写真を撮った。
山、崖、砂花、岩壁、本当にたくさん撮った。歌った。
本当にキレイな島。
”
12月5日(水)
“
種子島との別れはさみしかった。
それこそ良い島だった証拠。いろんな思い出が蘇る。
”
(おそらく帰宅後に執筆)
旅のまとめとして書いた日記
“
発射台、朝焼けを見ながらの「HINOIRIのテーマ」。
海の青。砂浜の白。芝の緑。コンクリートの灰色。
全てがキレイクッキリ色分けされてる宇宙ステーションはとんでもなくキレイだった。
朝焼け、くもり、晴れ、全部楽しめた。
誰もいない漠然とした海で、夕焼けを見ながら聴く音楽も最高。
Ahh menを聴いた。忘れない。
”
(「HINOIRIのテーマ」はVeltpunchの曲)
(「Ahh men」はSay Anythingの曲)
種子島一人旅を通して
あれから6年経とうとしているが、一人旅は種子島以来経験していない。
僕の心の中で、種子島はかけがえの無い思い出のひとつとして残っている。
民宿のおばあちゃんはまだ生きているだろうか。
宿泊最終日、「みなさんから名前を書いていってもらってます。よければこちらにお名前をお願いします」と言われ何かのリストノートに名前と電話番号を書いた。
そこにはもちろん僕以外の名前もあった。
そして今は僕の名前も当然ある。
そしてまた種子島に行けば、その名前を確かめることが出来る。
6年前の自分に会える。
それはきっと相当楽しいだろう。
でも逆に、もう少し経過して、30を回ってから行った方が更に感慨深くなれる気がする。
正直な話をすると「行く」のではなく、「住む」というのも選択肢にある。
南国だから巨大なGが出るという事実だけ受け入れられれば、僕は種子島に住みたい。
種子島でゆっくり暮らしたい。
もちろん今の「都会で深夜散歩」が出来る生活もヨダレが出るくらい好きだ。
種子島に行ったら、ふと思い立っての都会歩きが出来なくなり、確かにそれはつらい。
でも、あの美しい自然(そこまで究極の自然じゃない)と、中途半端に廃れた街に住めたらどれだけの幸福を味わえるだろうか。
ちょっと慎重に、本格的に考えてみたい。
最後の一枚はコレ。
自然を感じる場所に旅行した後は、我が家に帰ってからのスタバが異様においしく感じる。
帰宅してコーヒー飲んで、「やっぱり都会のコレが好きだなぁ」と感じるまでが「田舎旅行」の醍醐味だと思っている。
余談:もし種子島に住まわれてる方がいたら・・・
僕の記事では「中途半端」とか悪口を書いてるように見えるかもしれませんが、これこそ種子島の魅力だと思っています。
「中途半端」の言い方を変えるとするならば「盛り上がってない」とか、「どこか上がり切れてない」という感じですかね。
純粋に、「意識高い奴(旅行者)」とか「インスタバエ」で溢れかえってないところが僕は好きです。
特に僕のような「一人になりたい奴の行くところ」として有名になっても何の経済効果も無いでしょうから、できれば盛り上がってほしいとはお思いかもしれません。
ただ、僕にとって本当に最高の場所でした。
初めて行ったにも拘わらず、「懐かしい」という感情が押し寄せ、未だにGoogleマップのストリートビューで疑似的に旅をしますし、たまに種子島の夢も見ます。
あれから随分と時が経ち、種子島の地理も忘れ始めました。
旅行後数年間は「種子島での自分の旅ルート」をストリートビューでなぞれましたが、今は思い出せない箇所もあります。
いつか、一か月間くらいまた旅行に行きたいですね。
種子島は本当に素晴らしいところです。
あ。この写真忘れてた。
なんか個人で経営されてる感じのかわいらしい雑貨屋でした。
本の形をした木箱を買いました。
以下の数枚は今さっき僕が撮影した写真です。
普段中に何を入れてるかはちょっと恥ずかしくて言えませんが、男が一人で使うようなものでは無いものを入れてます。
確かこの木箱はこのお店で買いました。
って言ってGoogleマップで地図情報を載せたかったけど、Googleマップでヒットしない・・・。
なんか道路沿いのお店で買った記憶はあるんだけどなぁ。
ちなみにこの木箱にはセガミオリジナルを収納してます。