今回は少しばかり攻撃的な記事かもしれない。
最初に当記事のテーマを説明しておくが、世の中には「なんでも無い曲」が大量に出回っている。
「このバンド。演奏も上手いし、歌も上手い。でも光るものが無い。」
とかそんな感じだ。
「何を上から偉そうに。」と言われるかもしれない。
でもいつか書きたいと思っていた内容なので、今回思い切って書いてみる。
「音楽 ありきたり」
「つまらない 音楽」
「あんまり良くない歌」
などのワードで検索される方におすすめです。
目次
あんまり良くない歌
僕はジャルジャルのあるネタを見て目が覚めた。
そのネタの内容を簡単にまとめると、
・どうやら福徳が昨夜、神がかり的な名曲を思いつき、それを引っさげて上京を決意。
・東京に行く前に、古い友達である後藤にまずこの曲を聞かせたい。
・そしてそれを聞いた後藤が「悪くはないけど、あんまり良くない」とコメントw
・後藤「なんか、ゆずくらいネームバリューがある人が歌ってやっと、みたいな」
・後藤「ゆずのアルバムに1曲紛れててセーフ、みたいな」と微妙なラインでディスる
・後藤「なんか、”空”とか”道”とか”君”とか”光”とかめっちゃ言うてたやん。」
と、とにかく「歌が普通過ぎる」ことについてディスりまくるネタだ。
これはネタなのでいいのだが、世の中にはそういう「普通過ぎる曲」が増えすぎていると思う。
演奏テクニックは上級な若者たち
Youtubeでは、インディーズくらいのバンドのMVが大量にある。
特に最近はトリッキーな演奏を好むバンドが増えていることから、非常に変則的で、技術点の高い演奏を繰り広げるバンドが多い。
※ぶっちゃけこの流れは「リスナーがトリッキーな演奏を望んでるからそのニーズにバンドが応えてる」というより、「バンド側がそれを好きだからやってる」と思えて仕方が無い。もちろんこれは「世間に合わせない姿勢」が垣間見えるので、個人的には素晴らしい傾向だと思う。
彼らは本当に、本当に素晴らしい。
その演奏力の高さ、そして曲としての完成度の高さには、本当に感服する。
しかし、なんだろう。
すごく言いづらいのだが、そういうバンド様の中には「全く耳に残らない」人たちもいる。
演奏や構成力は本当にすさまじく、「いかにもプロの仕事」なのに、聴いていて全く心地よくならない(なれない)何かがあり、繰り返し聞こうと思えないのだ。
もちろん音楽には好みがあるので、これは僕側の問題でもある。
僕の曲だって、他の誰かが聞けばきっと「全然響かんやんか」となるに決まってる。
昔通ってたボイトレの先生が言っていた。
「癖の無い曲は作るな」と。
ちなみにその先生の中では、僕の曲はセーフらしい。
世の中にあるつまらない曲は「減点法で100点」
これもボイトレの先生のセリフだが、「大きなオーディションで合格するようなシンガーソングライターは大抵、減点法で100点を取るようなつまらない曲ばかり」
これは素晴らしい表現方法だと思う。
「減点法で100点」とはつまり、減点するところは無いということである。
歌唱力 :100点(声に特徴は無いが、声量があり音程がしっかり取れている)
歌詞 :100点(ありきたりなラブソングだが、子音や母音がメロディーにしっかりハマっており、ストーリー構成も悪くない)
メロディー:100点(ありふれたメロディーで一切耳に残らないが、決して外してる訳では無いので減点はできない)
演奏力 :100点(すごく上手い。でもなんかどこか聞いたことがあって、むしろそっちの曲が聞きたくなる)
何かしらのオーディションで合格するアーティストは、大抵こういうバンドまたはシンガーソングライターである。
()内の皮肉を見て頂ければ分かると思うが、僕はこれらの曲があまり好きでは無い。
日本のエモ界隈が悲惨な状態かもしれない
僕はエモが好きだ。
というより、「エモイ要素がある曲」が大好きだ。
一応エモについては何記事が書いたので、ここにまとめておく。
関連記事:
【20曲】涼しい時期の夜長(夜散歩)にエモい音楽はどうですか
【エモい!】サントラおすすめ曲をひたすら紹介
ポップで優しいエモい曲が好き
【コード進行】3-4-5-6進行(3456パターンの魔力)なぜ泣ける?
とりあえず僕がエモに対する思いは、これらの記事の中で語っている。
しかし、日本のインディーズ界隈のエモが大変なことになっているように思う。
まず、エモとは英語圏発祥のジャンルで、その曲調に合うのはどうしても「英語」である。
だから日本のエモバンドの中には「歌詞全部英語」で歌うバンドも多い。
当然、彼らのネイティブな発音は素晴らしく、そしてエモに合っていて、洋楽みたいでとてもかっこいい。
でも、「洋楽みたい」という感覚は絶対に抜けない。
だからどうしても洋楽と比較し、その結果「劣化した洋楽」という印象を受け取ってしまう。
日本語歌詞のエモ曲も当然のように存在するのだが、日本語特有の子音の乗せ方に、どのバンドさんも苦しんでるように思える。
もちろん日本語とエモを合わせようと思えば合うのだろうが、難しい。
分かりやすく言えば、日本にヘビメタバンドが少ないのと同じ理由かもしれない。
僕はヘビーメタルも少し好きなのだが、あれは結構歌詞が痛い。
洋楽なのでなんて言ってるか分からないからいいのだが、翻訳すると「悪魔がどう」とか「切り刻んでやる」とか、結構痛い歌詞が多い。
そしてそれが日本語だったらどうなるか・・・。
なお一層痛い。。。
エモというジャンルは確かにカッコよく、後半のブレイクダウンの心地よさもある。
しかしそれを真似た日本のバンドの曲は、なんか、「わざわざ聞くまでもないのかもしれない」と思えてしまう(時がある)。
とは言えそれでも聞いてしまうので、間違いなく何かしらの魅力はあるのだと思う。
Youtubeで見かけた共感コメント
当記事では、「あんまり良くない歌」として、誰かの曲を上げたりはしない。
自分の中で「この曲はあんまり良くないな」と思うものはあるけれど、それを上げる勇気は無いし、したくもない。
何度も言うが、音楽は好みだ。
自分にフィットしないからと言って「この曲は良くない」と断定できない。
(ましてや僕は幅広い音楽を聴く方では無いので評論家を気取ることなんてできない)
そこで、Youtubeで見かけたコメントを引用することにした。
でもどの動画に付けられたコメントか?というのは伏せる。
「MVに付けられたコメント」という条件は外さないので、そのうえで僕が共感したコメントを貼っていく。
「すげえ微妙ですね!」
「かっこいいですけど光るものがないですね。」
「洋楽を聞かないワンオク」
「絶妙に癖にならん」
「明日には忘れてそう」
「上手いのはすごく伝わってくる」
「洋楽を聞かないワンオク」について、これのコメントにはマジで納得した。
少し解説するが、ワンオクは明らかに洋楽のエモ・パワーポップシーンに影響を受けている。
そしてそのワンオクだけに影響を受けて、洋楽を一切聞かずに成長したバンドみたいな、そんな皮肉が込められた絶妙なコメントだったw
ありきたりな音楽の存在「減点法で100点」:まとめ
どのバンド、アーティストも必ず持っている「ありきたりな曲」。
でもそれは、アルバムの中に1,2曲紛れ込んでいればセーフなだけで、そんな曲ばかりを量産し続けていたらそれは面白くない。
とは言え「地方のライブハウスの常連バンド」には、そういう「ありきたりなバンド」は結構多い。(と思う)
これは悪く言ってるわけではない。
バンド名は伏せるが、僕の地元には「明らかにB’zに影響受けてんなぁ」というバンドが3つ程ある。
僕はB’zがあまり好きではないので分からないが、B’z好きからすると、「こんな地方でもB’zみたいな音が生で聞けるだけで満足」なのかもしれない。
だからそもそも、ありきたりだろうと無かろうと、方向性が違う。
自分たちが楽しいことをやっていれば、光るものがあろうと無かろうとどうでもいいのだ。
改めて、僕は全然偉そうなことを言えないし、言うつもりもない。
ただ、自分の内側に引っかかるこの感情を解放したかったのと、「減点法で100点」という素晴らしい表現を広めたかった。