5年前、初めて都会に引っ越し、それと同時に僕はカフェでバイトを始めた。
バイト先の先輩方は田舎出身の僕を暖かく迎えてくれた。
そしてその中には非常に面倒見が良い「武井さん」という一つ上の先輩がいた。
休憩室で武井さんと二人きりになった時、「今俺ペニーを練習してる」と言っていた。
ペニーとはおしゃれで小さいスケボーのようなもので、個人的には結構責めた趣味だと思っている。
そして武井さんは続けざまに「ここ(バイト先)は駐車場から店まで遠いから、その距離をペニーで来ようかなと思ってる」と言っていた。
僕は(ペニーで出社?!都会すげー!なんでもありやん!田舎じゃ考えられん!)と思った。
するとそこへ店長がやってきた。
武井さんは店長に対しても「俺今ペニーを練習してんすよ」と陽キャらしく話しだした。
すると店長が「へぇー。まさかそれで出社とかしないよね?」
武井さんは一切の動揺も見せず「いや、それはさすがに無いっすww」と言っていた。
店長「それならいいけど。昔こっそりペニーで出社してきてた変な人が居たからね。」
武井「へぇー。」
店長が去りまた二人きりになると武井さんは「あぶねー。俺変人になるところだった。」と言った。
僕は
・「都会の寛容さを信用し過ぎない」
・「もっと自分を信じるべき」
の2つの教訓を得た。
何より、以前ペニーで出社していた変人は「こっそり」出社していたのに対し、武井さんはむしろ自慢げに話していたという点が未だにツボる。