僕の大好きなバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」
彼らのことは「RADWIMPS3」という2006年にリリースされたアルバムで知り、その後もずっとずっと好きでいるが、最近のRADWIMPSの曲は、何故か「なんかきつそう」に聴こえてしまう。
とは言え、僕は今でも全然RADWIMPSが好きである。大好きである。
だからいわゆる
「やっぱこのバンドは初期の頃がいいよね。知名度上がってから入ったニワカな奴らなんてしらねー」
「このバンド売れてから変わっちゃったね・・・」
というような話がしたいわけではない。
ちなみに「最近のRADWIMPS」というのは、僕の中で
「絶体絶命(2011のアルバム)」以降の話である。
(2011なんて大昔だ・・・)
関連記事:
※関連記事は最後にまとめて紹介します「ラッドウィンプス 初期」
「ラッドウィンプス ストレート」
「ラッドウィンプス 変化」
などのワードで検索される方におすすめです。
Radwimpsの簡単なディスコグラフィ
RADWIMPSがリリースしたアルバムは以下の通り。
2003年7月2日 RADWIMPS
2005年3月8日 RADWIMPS 2 〜発展途上〜
2006年2月15日 RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜
2006年12月6日 RADWIMPS 4〜おかずのごはん〜
2009年3月11日 アルトコロニーの定理
~※ここが分岐点~
2011年3月9日 絶体絶命
2013年12月11日 ×と○と罪と
2016年11月23日 人間開花
途中で、「~※ここが分岐点~」と書いたが、これは僕が勝手に感じているものであって、「バンドの心境の変化」とかそういうものではない。
”アルトコロニーの定理”までのナチュラルさ
具体的に、「何がきつそうなのか」を考えてみる。
アルトコロニーの定理までは、RADWIMPSの曲にはほぼ全て「スッと入ってくる」ような何かがあった。
なんと言えばいいか、曲自体もそこまで複雑ではなく、トリッキーな演奏も控えめで、なんとなくシンプルで心地良い曲の割合が多かった気がする。
いや、せっかくのブログなのに「~な気がする」と雰囲気を伝えても仕方が無い。
個人的に感じることを箇条書きでまとめてみる。
”アルトコロニーの定理”(初期)までのRADWIMPSの特徴
・女々しく、回りくどい歌詞が多い
・桑原さんのギターが、そこまで荒々しくない
・ミックスが全体的にクリア(RADWIMPS3~アルトコロニーの定理 まで)
・ドンシャリ系の重厚なギターサウンド多め。
女々しく、回りくどい歌詞が多い
今からお前に何話そうかな どうやってこの感じ伝えようかな
少し長くかかるかもな でもね 頑張ってみるよふたりごと
別にこれと言っていい顔だなんて 思ったことはないんだけど
誓ってそれはないけど まぁ一度くらいなら あるかもしれないけれど
ただそんなことはどうでもよくて お前がこの顔好きだって
言ってくれるから 褒めてくれるから そこんとこはオトンとオカンに
感謝です ほんと感謝です この俺の好きな人の好みに俺を七ノ歌
僕が例えば他の人と結ばれたとして
二人の間に命が宿ったとして
その中にもきっと 君の遺伝子もそっと
まぎれこんでいるだろうme me she
今パッと思いついたのが上記3つ。
女々しくてなよなよした歌詞が多い。
しかしながらうざったくなく、しかもメロディにガッツリハマってるため、歌っていてすごく気持ちよさそう。
実際に歌ってみても気持ちが良い。
J-POPの中にはたまに、歌詞のストーリーを優先してしまい、子音がメロディーに乗り辛く、歌っていてかなり辛くなる曲も多い。
しかしこの頃のRADWIMPSの曲のほとんどは、「歌う時の気持ち良さ」「魅力的な歌詞(ストーリー)」という2つの条件を、奇跡的にもクリアし続けているように感じる。
もちろん、「そんな条件をクリアしてる曲なんか世の中に山ほどあるだろ」
という話になるのだが、1バンドに数曲程度や、ヒット曲だけ、とかなら確かにある。
でもRADWIMPSの場合、「条件をクリアしてる曲」を作り続けていたのだ。
だから「この頃のラッドの曲はスッと入ってくる」と思えるのかもしれない。
桑原さんのギターが、そこまで荒々しくない
超個人的な話だが、RADWIMPSの曲では、そこまで魅力的なリフは生産されていないと思う。
ギターリフから始まる系の曲は個人的に好きなので、その手の曲は意識して聴いているが、まずRADWIMPSはその手の曲が少ない。
少ないが、その中でも僕が愛して病まないのは「ます。(RADWIMPS4)」という曲である。
シンプルなリフ。
定番の「3度→4度→5度」と順に上がっていくコード進行。
2:15秒と短い曲長。
そしてもう一つ、リフから始まる好きな曲は「バグパイプ(アルトコロニーの定理)」だ。
この曲も非常にシンプルな構成で、リフもシンプル。
コード進行もシンプル。
だいぶ話が逸れてしまったが、上記2曲のように”リフが看板になっている曲”でも、桑原さんのギターがそこまで暴れていない。
なんなら、「ギター入門者におすすめのリフ」と言えるくらい簡単だ。
というわけで、桑原さんのギターがまだシンプルで荒々しくないというのも、「初期のRADWIMPS」の特徴だと思う。
※余談だが、「バグパイプ」というタイトルは、イントロのリフについて「バグパイプの音みたい」とエンジニアか誰かに言われたことが由来してるらしい。
ミックスが全体的にクリア(RADWIMPS3~アルトコロニーの定理 まで)
特に”アルトコロニーの定理”は、洋楽バンドを彷彿させるくらいクリアで、全曲響きある雰囲気で統一されている。
その中でも「バグパイプ」「七ノ歌」は、まるで”小さい教会”で演奏しているかのような神々しさを感じる
この辺りの神聖さも、少し哲学的・スピリチュアル的な歌詞が多いRADWIMPSにはフィットしてた気がする。
ドンシャリ系の重厚なギターサウンドの曲多め。
またしてもギターの話。
初期の頃の、特に野田さん側のギターは、ずっとガシャガシャと輪郭の無い音で鳴らしてる曲が多かった。
僕個人としては、ディストーションギターが鳴りっぱなしで、轟音に包み込まれるようなメロコアライクな曲が大好きなので、それもあって初期のラッドの方が心地良く感じるのかもしれない。※メロコアのギターサウンドとRADWIMPSは全く別物だが。
”絶体絶命”以降(後期)のRADWIMPSの特徴
※アルトコロニー ~ 絶体絶命 の間のシングルも含む
・歌詞がストレート。本当にドストレート。
・野田さんの声にリバーブがかかってない曲が増えた
・アルバムのリードトラック(会心の一撃・前前前世等)のメインリフに、トリッキーなものが多い
・桑原さんのギターが暴れている
・ギターの音が、がんがんのディストーションという感じより、ミドル上げめのクランチ感じになった(?)
歌詞がストレート。本当にドストレート。
圧倒的で感動的な 理想的超えて完璧な
運命的で冒険的な 時に叙情的な未来 VS
平均的で盲目的 半永久的に安泰な
無痛 無臭 無害 無安打無失点の 未来 未来 未来会心の一撃
僕にないものばかりで 出来上がった君だから
君の全部がほしくたって いけないことなんて ないでしょう?サイハテアイニ
アルトコロニーの定理までのソフトさが無くなり、一気にストレートになったと感じる。
野田さんの声にリバーブがかかってない曲が増えた
「まるで”小さい教会”で演奏しているかのような神々しさ」
とは正反対の、乾ききった勢いのあるミックスになっている。
特にボーカルの野田さんの声は、ほぼリバーブがかかってないようで、良くも悪くも浮いて聴こえる。
一応念を押しておくが、「昔の方がいい」とか「今の方がいい」とかの話ではなく、
「昔は透明感あるミックスだったのに、最近のは勢い重視のミックスになってるから、これもRADWIMPSの変化の一つだな。」
という程度の話である。
アルバムのリードトラック(会心の一撃・前前前世等)のメインリフに、トリッキーなものが多い
「ます。」や「バグパイプ」とは対照的に、高速でピッキングするようなリフが増えている。
後で紹介するが、「桑原さんのギターが暴れるようになった」からなのかもしれない。
桑原さんのギターが暴れている
暴れている。明らかに暴れている。
メインリフでの変化もそうだし、曲を飾っているサイドギターもすっごく暴れるようになった。
たぶんそのせいか、ギターの音も少し変わった。
恐らく、初期のハイゲインな音では、早弾きしても埋もれて聴こえ辛くなるものと思われる。
だから少しクランチよりで、ミドル上げめのファットな音にして、割と「クチュクチュ」となる感じの音作りになった気がする。
なんにせよ、野田さんの作る歌詞と同様、桑原さんのギターもストレートになった。
ギターの音が、がんがんのディストーションという感じより、ミドル上げめのクランチ感じになった(?)
さっきも少し触れたが、ギターの音が、輪郭がハッキリする感じになった。
桑原さん側のギターだけでなく、野田さん側のギターも同じように変化してる。
最近の方が荒々しい
さて、僕が勝手に作った「RADWIMPSの分岐点」の前後で変化をまとめてみたが、やはり「最近のRADWIMPS」は荒々しさが増してる。
・歌詞がストレートに
・ボーカルの音質や、曲全体のミックスが「クリアで透き通った感じ」から「乾いた生々しい感じ」へ
・ギターの演奏が荒っぽくなった
ということから、「あるメンバーだけ」が勢いを出すようになったわけではなく、”バンド全体”で意識して勢いを出すようになったものと思われる。
しかも、
アルトコロニーの定理
↓
絶体絶命
↓
xと○と罪と
↓
人間開花
と、アルバムを重ねるごとに徐々に荒々しさが増してるから、変化は徐々に訪れたのだろう。
「狭心症」という神曲
ラッドは、「アルトコロニーの定理(分岐点前)」と「絶体絶命(分岐点後)」の間に、「狭心症」というシングルをリリースしている。
この狭心症という曲は、「初期の神秘さ」と、「後期(最近)の荒々しさ」のちょうど狭間、絶妙なバランスで構成されている神曲だと思う。
個人的にはRADWIMPSの中で一番・・・か二番目に好きだ。
曲の雰囲気は、ラッド史上恐らく最も重い。
ミドルテンポで、トリッキーな演奏はほとんどない。
全体的な演奏や曲の流れは、「初期のラッド」に引っ張られており、
乾いた感じのミックス、桑原さんのギターは、「後期(最近)のラッド」寄りになっている。
歌詞は・・・
決して「ストレート」では無いが、割と分かりやすい内容になっており、
かつ、ラッド特有のユニークな言葉回しも取り入れられている。
故に狭心症は、絶妙なまでに「初期と後期の良いとこどり」な神曲だと思う。
まとめ
あらためて自分でまとめてみて、「最近のラッドはなんかきつそう」と感じるのは、「勢いが増した」からだなと思った。
少なくともこれで納得している。
「昔の方が良かったな」とか「最近の感じが好きだ」とかは、その時々の気分や感情によって変わると思うが、少なくとも今は、「昔のエモイ頃のRADWIMPSの方が良かったな」と思っている。
余談
記事の途中で、「狭心症が1番か2番目に好きだ」と書いたが、僕が迷ったのは、「バグッバイ(RADWIMPS4)」という曲の存在があるからだ。
バグッバイが、たぶんラッドの中で一番・・・好き。
バグッバイという曲は、超絶シンプルな演奏で、野田さんのソフトな歌声、歌い方が完璧にフィットしてる。
そして歌詞。
最高の歌詞。曲に吸い込まれるように自然に、ナチュラルに入り込んでいる歌詞。
「歌う時の心地よさ」と「曲の雰囲気にあった絶妙な歌詞」という条件を2つとも完璧にクリアしている。
妥協点なんか一切ない。
そしてラストの若干エモい感じ。
教会で演奏してるかのような透き通ったミックス。
少しローファイなドラムの音。
ただ純粋に、またバグッバイのような不思議な曲を聴きたい。
〇最後に、自分の曲の宣伝
記事中に登場したリンク:
こんにちは。
そんな思いをしていましたら
こちらにたどり着きました。
確かに以降の作品
別物かなぁと思うことがありましたので…。
ありがとうございます。
みっさんさん
コメントありがとうございます!
分かってくれる方がいらして、良かったです!
やっぱり何か、「ここから別物になった」という何かがありますよね。
自分の気持ちを代弁してくれてるように、共感できました。ありがとうございます
れみ様
コメントありがとうございます。
完全に自分の感じたことを記事に起こしたので、
誰からも共感を得られず批判されるかと思ってました。
共感してれる方がいてとても嬉しいです。