あなたは「モチベーションアップ株式会社」をご存知だろうか。
「オフィスに貼るための標語ポスター」を制作している会社だ。
実在する会社なので変なことを書けないが、個人的感想としては「気持ち悪い」と感じる事も多い会社なので、その理由について書く。
「モチベーションアップ株式会社」とは
具体的にどんな業務に携わっているかは公開されていない?っぽいので未知数だが、一つに「標語ポスター」を作っていることは有名だ。
(Googleビジネス情報はネットのおもちゃとなっている。。。記事執筆時点では「心霊術師センター」という名目だ。)
モチベーションアップ株式会社が遊ばれすぎてコンビニばりの営業時間になってて草生える pic.twitter.com/EceLXYQt72
— 踊るゆうふぉお@0v0 (@odoruyuufoo) January 4, 2018
こんな感じのポスターを作っているらしい
どうですか、これ。
この標語ポスターについて思うこと
気持ち悪い、本当に。
浮ついているというか、地に足が着いていない感じ。
求人に応募した会社のオフィスにこれが貼ってあったら絶対に辞退する。
ネットでも「これが貼ってあったらブラック企業確定」とも言われているし、全くその通りだとも思う。
幸い僕は生でこのポスターを見たことは無いが、似たような事例で「社長が自分で書いた“格言”をオフィス内のアチコチに貼ってある」オフィスで働いたことがある。
その時は特に気にならなかったというか、関心が無さすぎて違和感すら抱かなかったが、辞めた後に「そういえばあれ気持ち悪かったな」と思った。
標語ポスターの話に戻るが、20代の頃はそれこそ全否定していた。
しかし30代になった今、少しだけ分かる。本当に少しね。
考えようによっちゃ理解できる
「能動的な人」と「受動的な人」がいる。
職場で活躍してるほとんどの人は「能動的な人」だと思う。
僕はこの違いに気付いてから、できる限りあらゆる物事に能動的に取り組むようにしているが、元が受け身気質なせいか、「受け身気質が発揮されたせいで失敗」することがある。
こういう僕のような気質からすると、標語ポスターの言ってることは分からんでもないのだ。
実際にモチベーションアップ株式会社のポスターが言ってることは、正しいとも思う。
それでもこのポスターが気持ち悪い確実な理由が一つある。
結局「精神論」じゃん
まず「精神論」とは何だろう。
僕の中では「具体性を欠くアドバイス」が精神論だと認識している。
例えば「情報が多すぎて付いていけません。」と悩んでいる人に対し、「大丈夫、勉強すれば慣れるよ」というアドバイスは精神論。
対して、「◯◯というツール使って管理すると楽だよ」は的確なアドバイス。
もちろん「最初から答えを教えず、自力で答えにたどり着かせる」というコーチング手法もあるだろうし、僕もそれは意識している。
でも精神論はそれとは違う。
「誰だって頑張ればやれる」というスポーツ根性が精神論だ。
そこに創意工夫は無い。
それでクリアできる人もいるが、同時に沈む人もいる。
そして「このポスターを貼る」という行動
まぁポスターの標語が「精神論止まり」なのは仕方がない。
だって業種や職種問わず対応する必要があるから、あまり具体的なことは書けない。
だからこのポスターは別に存在しても良い。
ではなぜ気持ち悪いのか?
それは「“このポスターを貼ろう”という発想の持ち主が上層部にいるから」だ。
実は僕も格言フェチだ。
いろんな格言やセリフを見て感銘を受ける。
でもそれって、意外と他人には伝わらない。
自分には名言だと思っても、他人には響かない。
だから格言は押し付けてはいけない。
「会社の壁に貼ってるだけで押し付けてるわけじゃないよ」
なんて言い訳は通用しない。
それはもう経営陣からの押しつけだ。
「言ってることは分かるけど、押し付けられたらなぁ。。。」と子供じみたことを言いたくなるが、実際「押し付け」によってモチベーションがダウンすることは科学的に証明されている。
まとめ
というわけで、モチベーションアップ株式会社の標語ポスターは、「言ってることは間違ってない」けど、「具体性がないのでほとんどの従業員には価値がない」どころか、「むしろ押し付けに感じて負担」になる。
そして「このポスターを貼ってる」という点がなんかちょっと頭悪い感じがしてしんどい。
どうでもいい余談
僕は「ブラック企業の絶叫朝礼」とか「アムウェイの集会」や「TikTokで踊らされている新入社員」などのコンテンツが大好きだ。(あと実際にブラック企業で働いてた人のエピソードとかも好き。ゾクゾクする)
こういった動画をついつい見てしまう。
それは「怖いもの見たさ」に加え、なんというか、見終えた後に「脱獄映画を見終えた後の爽快感」に似たものを感じるからだ。
これらのコンテンツを僕は「深淵」と呼んでいる。
そして今回紹介した標語ポスターもまた深淵の類。
つまり僕がこれらのコンテンツを見て楽しんでいる時、向こうもまたこちらを覗いている、のかもしれない。