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「ザ・ウォーカー」の考察と感想。イーライは盲目か。最後の男は誰か等。

「ザ・ウォーカー」の考察と感想。イーライは盲目か。最後の男は誰か等。

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ぱっかん
執筆者:散歩ブロガー「ぱっかん(@pakkan316)」福岡散歩ブログも絶賛更新中!

2010年公開のポストアプカリプス(終末後)作品「ザ・ウォーカー」を鑑賞した。

改めて見ると、本作は割と娯楽色の強い作品だが、考察し該のある深みのある作品でもあるので、思いっきり考察してみる。

※当記事では思いっきりネタバレしているので、未鑑賞の方は出来れば鑑賞後にご覧ください。

※関連記事は最後にまとめて紹介します

:ザ・ウォーカー(原題:Book of eli)のタイトルコール
ザ・ウォーカー(原題:The Book of eli)のタイトルコール

予告編(トレイラー)

作品情報

公開年2010年
原題The Book of Eli
上映時間 118分
製作国アメリカ
監督ヒューズ兄弟(アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ)
脚本ゲイリー ウィッタ
ジャンル アクション、ヒューマンドラマ、終末モノ
主要キャスト デンゼル・ワシントン(イーライ)
ゲイリー・オールドマン(カーネギー)
ミラ・クニス(ソラーラ)
レイ・スティーブンソン(レドリッジ)
ジェニファー・ビールス(クローディア)
配信サイト・媒体 市販DVD
Amazon Primeビデオ
Netflix…他
※記事公開時の情報です

考察①:イーライは盲目だったのか?

※ここでは、僕の行き過ぎた考えが濃いめに含まれています。飽くまで「1人の鑑賞者の感想の延長線上」という感じで捉えてください。

本作のどんでん返しとして、「イーライが持っていたHolyBible(聖書)が、実は点字だった」という事が明かされ、そして直後にイーライの目のアップシーンがある。

 

ここで初めて我々は、「イーライは目が見えない(かもしれない)」という事実に気付く。

ただ、他のブログ様でも
・イーライは盲目では無い
・イーライは弱視(盲目程ではない)
・イーライは盲目
と、いくつかの説に分かれるほど、本作内で「盲目じゃない」と思わせる描写が多いのが現状だ。

しかし僕は、「イーライは盲目である」と考えている。

以下が、「イーライが盲目である」と思わせる描写だ。

〇序盤、車ににじり寄る際、先にカバンをぶつけた

〇車内の白骨化した死体に、最初は気付かなかった?

〇序盤、イーライが建物に入り、食器棚の皿をスライドして「ガシャガシャ」音を立てている

〇首吊り死体の存在に、「匂い」で気付いた

〇音楽プレイヤーのバッテリーが切れてるのに、ボタンを押し続けるイーライ

〇複数人の敵と戦闘する際、トンネルに後ずさりする

〇トンネルでの戦闘後、自前のナタを投げ捨てるイーライ

〇道が二つに分かれており、その真ん中に看板が立っている時、イーライは太陽の方を見た

〇街での銃撃戦の際、敵が発砲した後にその敵を狙い撃ちしていた

というように、「イーライが盲目というのは無理がある」というのを覆す量で「イーライが盲目である」という暗示が含まれているので、僕は「イーライが盲目」だと確信している。

とりあえず次項で細かく解説する。

序盤、車ににじり寄る際、先にカバンをぶつけた

道路を歩くイーライ。
するとイーライは、止まっている車に気付き近づく。

イーライは、すぐにドアハンドルに触るわけでは無く、なぜかバッグを先に車のボディにぶつける。

たぶんだがこれは、イーライが盲目が故に、車との距離感が分からなかったのだと思っている。
だから、ぶら下げたバッグを差し出すようにしながら近づき、そのオブジェクトとの距離感を探っていたのだろう。

車内の白骨化した死体に、最初は気付かなかった?

イーライがその車を捜索したのは、恐らく何かしらの物資を探していたからだろう。
車のドアを開けたイーライは、まず白骨化した死体を見るような素振りをするが、それは一瞬だ。

 

我々からすると、「イーライはこの世界で長く生きているので、死体なんか見慣れている」という「終末世界特有のあるある」みたいに捉えてしまうが、それが上手いミスリードとなっている。

実際にイーライは、何か物資が無いかと真っ先にアクセル側に手を伸ばし、そこで「死体の足」に手が当たる。
するとイーライは即座に詮索を中断し、白骨死体の上半身辺りに目をやる。

イーライは、ここで初めて死体の存在に気付いたと考えられる。

序盤、イーライが建物に入り、食器棚の皿をスライドして「ガシャガシャ」音を立てている

「既に廃墟だから荒らしても良い」という、「ポストアプカリプス特有の行動」として捉えることも出来るが、「陶器をぶつけ合わせて、音を出して共鳴を感じている」と推測することも出来る。

イーライは、そうやって共鳴を感じて、部屋の状況を把握していたのではないだろうか。

首吊り死体の存在に、「匂い」で気付いた

序盤で登場した「首吊り死体」
イーライが靴を拝借したアイツだ。

イーライは家の中で、ある部屋から何かしらの気配を感じ、その方面の扉を開く。

そしてそこには首吊り死体があり、イーライはビックリする。
しかし実際にビックリしたのは「ドアが壊れたから」であり、その死体には、直後に漂う死臭で気付いたようだ。

ただこれは、健常者でも似たようなリアクションをすると思うので、なんとも言えないところでもある。

音楽プレイヤーのバッテリーが切れてるのに、ボタンを押し続けるイーライ

廃墟で睡眠を取った後、音楽プレイヤーを操作するイーライ。
ディスプレイには「バッテリー切れ」と表示されているのに、イーライはいくつかのボタンを押し続ける

これは、「イーライにはディスプレイが見えていない」という事の暗示だ。
イーライはディスプレイが見えないから、いくつかのボタンを押して、音楽プレイヤーからのレスポンスが無いことを確認していたのだ。

 

ただこれは「映画的な行動」でもある為、どちらにも取れる。

例えば、電話のシーンなんかでよくある、相手が一方的に電話を切った後、「ツー、ツー」っと明らかに会話が終了しているのに、「もしもし?もしもし?」と言い続ける現象。

この手の行動は、「登場人物がこの状況を受け入れたくない」と考えている事を鑑賞者に伝える場合に起こるので、ただ単純に「バッテリー切れをイーライが受け入れてない」だけなのかもしれない。

複数人の敵と戦闘する際、トンネルに後ずさりする

序盤で登場した「ヒャッハー集団」との戦闘の際、イーライは静かに後ずさりし、あえて暗いトンネルの中で戦闘を開始する

ここは、「視覚効果」的な演出の為にトンネルを利用してるように見えるが、僕にはイーライに目的があったように思える。

イーライは目が見えないので、恐らく薄暗いトンネルで戦闘した方が有利だ。
それに、トンネルだから音が共鳴する

その共鳴を利用し、敵の状況を分かりやすくしていたのでは無いだろうか。

トンネルでの戦闘後、自前のナタを投げ捨てるイーライ

これはちょっと考え過ぎかもしれないが、トンネルでの戦闘後、イーライはナタを地面に投げつける
非常にクールなシーンだ。

 

初回では、「望んでいない戦闘だったから、勝ったとてイーライも感情的になっている」と捉えた。

しかし改めて鑑賞すると、「ナタを地面に叩きつけ、共鳴した金属音で敵の残党をチェックしていた」ようにも見えると気付いた。

「イーライが盲目かもしれない」という先入観の元の鑑賞だったので、こじつけっぽくはなっているが、決して無視は出来ない。

道が二つに分かれており、その真ん中に看板が立っている時、イーライは太陽の方を見た

「ザ・ウォーカー」の考察。イーライは盲目か。最後の男は誰か。:右に「井戸」左に「宿舎」のアイコンが描かれた看板
右に「井戸」左に「宿舎」のアイコンが描かれた看板
「ザ・ウォーカー」の考察。イーライは盲目か。最後の男は誰か。:盲目のイーライは、看板ではなく「太陽」を指標に行先を決めている
盲目のイーライは、看板ではなく「太陽」を指標に行先を決めている

「どちらの道を進むか」を迷ったイーライは、一旦太陽の方を見る
恐らく、太陽の位置から自分が進むべき方角である「西」を導き出したのだろう。

イーライは、実際に目は見えなくとも、光は感じることが出来るタイプかもしれないし、温もりで日光を感じたのかもしれない。

街での銃撃戦の際、敵が発砲した後にその敵を狙い撃ちしていた

「目が見えないイーライに、銃が撃てるのか?」
という疑問。

しかし銃撃戦をよく見ていると、イーライは「敵が発砲したところへ向かって撃っている」と気付く。

ただこれも、ガンアクション系の映画ではありがちな描写なので、なんとも言えない部分ではある。

以上が「イーライが盲目である」に関する部分の考察だ。
次項からは別の考察に移る。

考察②なぜレドリッジはイーライを撃たなかったのか

 

イーライに発砲するも、何故か弾を外すレドリッジ。

二発目を打ち込むも、その弾丸もイーライの肩をすり抜け、自分の銃に違和感を感じるレドリッジ。
直後に激しい銃撃戦が発生するが、それがひと段落した後に、再度レドリッジはイーライに銃を向ける。

しかし、互いに見つめ合うだけで、レドリッジはゆっくり銃を下す

「ザ・ウォーカー」の考察。イーライは盲目か。最後の男は誰か。:イーライと対峙し、何も言わず銃を下すレドリッジ
イーライと対峙し、何も言わず銃を下すレドリッジ

レドリッジは、イーライから「神の力」的な何かを感じ、撃つのをためらったのだと考えられる。

だから、「撃たなかった」というより「撃てなかった」のでは無いだろうか。

イーライは神に守られている。
非常に映画的な展開ではあるが、だから被弾しないし、強敵をなぎ倒していくことができる。

そんなイーライの「凄み」に、レドリッジは気付いたのだろう。

個人的には、「カーネギー vs イーライ」の構図より、この「レドリッジ vs イーライ」の構図の方が好きだ。

終盤でイーライがカーネギーに撃たれるシーンで、レドリッジは「あぁ・・・」と、少し悔しがる表情をする。
それだけイーライに対して尊敬の念があったのだろう。

考察③イーライが撃たれた時に稲妻が走る描写

「ザ・ウォーカー」の考察。イーライは盲目か。最後の男は誰か。:カーネギーがイーライを撃った直後、後ろで稲妻が走る
カーネギーがイーライを撃った直後、後ろで稲妻が走る
 

聖書では、イエスが死に直面した際、「雷が鳴った」と群衆が気付く描写がある。

僕は聖書を読んだことが無いが、たまたまこの話だけ聞いたことがあった。

イーライが撃たれた時に後ろの方で稲妻が走る演出は、聖書に則った描き方で、「イーライに神が宿っている」ことを表していたのだと思う。

考察④最後にバーに座り込む男は何者か?

「ザ・ウォーカー」の考察。イーライは盲目か。最後の男は誰か。:崩壊しつつあるバーで座り込む一人の男
崩壊しつつあるバーで座り込む一人の男
「ザ・ウォーカー」の考察。イーライは盲目か。最後の男は誰か。:彼はカーネギーの方を見つめる
彼はカーネギーの方を見つめる

この男は一体何者なのか?

彼は名前こそ与えられていないが、レドリッジの次に有能な、カーネギーの手下のようだ。

彼は、要所要所でレドリッジやカーネギーにアドバイスしている。

 

「もうすぐ日が暮れる。暗かったら彼らを通り過ぎても気付かないし、車のライトに気付いて隠れられる。」

「片道分のガソリンしか残っていません。(ソラーラを)追いますか。」

これらは彼のセリフだ。

少なくとも彼のセリフは、カーネギーやレドリッジの行動に影響を与えている

彼は戦後に生まれた人物なので、「テレビ」が何かも知らなかったが、それでも有能なようだ。

そしてそんな彼が、何故最後にバーで立ち尽くしていたのか

 

きっと、カーネギーに対して「この状況を収束できない」と目で訴えていたのだと思う。

あの状況では、カーネギーに対して下剋上の宣戦布告をしているようにも見えるが、どちらかと言うと「唖然」としていたように見える。

だからまだカーネギーへの忠誠心は残しつつも、「この暴徒化を止めることはできない」と訴えていたのだろう。

作中で彼の出番が少なすぎる為に、「一体あの男は何者か?」という疑問が生まれてしまった。
ここに関しては、ちょっと不親切な部分なのかもしれない。

感想

2019年8月26日追記。
何度目の鑑賞か忘れたが、久しぶりに観たので今度は「感想」を書く。

本作について、褒め称え点はたくさんある。

音楽、情景、心理描写、人物描写、演出全てが好きだ。
でも今回見直して特に心に響いたのは、「人間模様」だった。

本作は人間模様の描き方、もしくは魅せ方による心の揺さぶり方が上手い。
上手過ぎる。

例えばメインキャストの「イーライ(デンゼル・ワシントン)」と「カーネギー(ゲイリー・オールドマン)」の掛け合いもそう。
最初からBOSS vs BOSSの重厚感が感じられた。

「レドリッジ(レイ・スティーヴンソン)」と「イーライ」のやり取りも凄く好き。
イーライの凄みになんとなく気付くレドリッジの表情や、イーライが撃たれた時の残念そうな表情。

レドリッジは、敵でありながらちゃんと敬意を評しているように見える。

「レドリッジ」と「カーネギー」のやり取りもとても面白かった。
「ソラーラを俺にくれ」と言い出す時の、レドリッジのあの言い辛そうな表情・・・。

また、レドリッジが死ぬ瞬間、それを見届けるカーネギーの表情。

しかも、こういうエモーショナルなシーンでは、わざとらしいくらいに役者の顔にカメラがズームする。
こういう濃い演出も好き。

本作は、どのキャラクターも魅力的で、その魅力的なキャラクター達を随所で活かしてくれる。
でも多くは語らない。

 

最後の「謎の男」も不思議だし、そういうミステリアスさにも惹かれているのかもしれない。

「ザ・ウォーカー」の考察と感想。イーライは盲目か。最後の男は誰か等。:まとめ

●考察

・イーライが盲目かどうかは、具体的には語られていないのでどちらとも取れる

・最後にバーの椅子に腰かける男の正体は、カーネギーの手下。レドリッジが死んだので、恐らくあの町でTOP2くらいの影響力を持つと思われる。

・例の「バーの男」がカーネギーを見つめていたのは、恐らく「ここまで荒れたら、もう終息できません。」と訴えているものと思われる。

●感想

・人間模様の描き方が凄く良い。キャラクターが魅力的で、各キャラクター同士の掛け合いがほぼ全て面白い

・独創的で素晴らしい音楽

・各役者の演技も素晴らしい

・部屋の中のごちゃついた雰囲気なども良い

本作は、終末モノとしての世界観が、僕の大好きな「Fallout」というゲームに非常に良く似ている。

Falloutの名を広めた「Fallout3」の発売日が2007年で、本作の公開日が2010年であることを考えると、ウォーカーがFalloutに影響を受けたと考えることも出来る。

そんなFalloutは、映画のワンシーンをオマージュとして取り入れるなど、イースターエッグが数多く収録されている。

2015年にリリースされた「Fallout4」では、「ウォーキング・デッド」「ブレイドランナー(1982)」「エイリアン2(1986)」「グッドウィルハンティング(1997)」など、いくつもの映画オマージュがあった。

そして今年は「Fallout76」の発売が控えているので、そちらで是非「ウォーカー」のオマージュを入れ込んで欲しい。

 

追記:残念ながら、Fallout76自体があまり面白いゲームではありませんでした。たぶんウォーカーのオマージュも無し。

レビュー
レビューした日
レビュー作品
ザ・ウォーカー
総合評価
51star1star1star1star1star



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→「当ブログ」と「ぱっかん」について

【職業】web諸々
【趣味】考えをまとめる・散歩・映画
【好きなファッション】ウォーキングデッドに出てきそうな奴
【好きな食べ物】ネオソフト・きなこご飯
【ストレングスファインダーの結果】着想/最上志向/内省/共感性/運命思考

あまり精力的では無いですが、「Trash Area」という名前で音楽活動をしています。
エモいバンドサウンドが好きで、そういう曲をたまに作ってます。
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