毎月偶数月に発行される「森の戦士ボノロン」という絵本が大好きだ。
この絵本は、 全国のセブン-イレブン、ヨークベニマル、 デニーズ、アカチャンホンポで無料配布されている。
僕はもっぱらセブンイレブンでもらっている。
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森の戦士ボノロンとは?
『森の戦士ボノロン』(Bonolon)は、北原星望原作、永山ゴウ作画、原哲夫プロデュースによる絵本シリーズ、及びセブン-イレブンやデニーズで配布されているフリーペーパーポラメルに掲載されている絵物語。オレンジ色の巨人ボノロンの活躍を描く。偶数月の15日に全国セブン-イレブンの店舗にて毎号100万部が配布されている。2007年に『ボノロン 〜不思議な森のいいつたえ〜』のタイトルでテレビアニメ化された。
森の戦士ボノロン(wiki)より引用
僕の捉え方では、ボノロンはいわゆるヒーローもの。
一話完結型で毎回登場人物が異なり、困っている登場人物を、ボノロンとそのパートナーのゴン(犬)が助けるというのが大筋。
絵本自体はそんなに読まないが、無料ということもあってボノロンは毎回手に取ってしまう。
あらためて、ボノロンはヒーローものだと思う
僕はアメコミヒーローが大好きだ。
それは、「ヒーローのバックグラウンドがしっかり描かれている」という理由が大きい。
スパイダーマンやアイアンマンなど、ヒーローとしての成り立ち・苦悩がしっかり描かれているので、作品に入り込んでいる間は自分はそのキャラクターに成り切れる。
対してボノロンはバックグラウンドが全く描かれていない。
ボノロンが何者なのかも知らない。
だから、アメコミと比較すると、読者は読みながら以下のような感じで感情移入することになると思う。
アメコミヒーロー(スパイダーマン等)の場合→ 主役のヒーローに成りきる
ボノロン→ 困っている登場人物に成りきる
恐らくだが、ボノロンは「アンパンマン」的な立ち位置だと思う。
同じヒーローものとは言えアメコミを引き合いに出したのは場違いな気もするが、こういう違いを踏まえながらボノロンを読むと、また新しい発見があるかもしれない。
作品としてのボノロンのテーマは「死(命)」
「命の大切さ」を題材にした作品は、絵本のみならず創作物には非常に多いが、ボノロンもそれに該当していると思う。
全てではないが、各エピソードごとに大抵誰かが死ぬ。
そしてボノロンを通し、主人公がその死を乗り越え成長するというのが基本的な流れだ。
この王道的ストーリーを、当然ながら子供向けに分かりやすいインターフェースでまとめている。
だから、基本的には大人が読んだら物足りなさを感じてしまうだろう。
しかし、ボノロンはシリーズ化されており、恐らく2017年4月現在までに72話公開されている。
これだけシリーズが続いているのだから、中には変則的な話もある。
その”変則的な工夫”が、少なくとも大人である筆者の心も上手く掴んでいる
変則的な工夫については後程解説したいが、まずは大筋について解説してみる。
ボノロンの大筋
まず、ボノロンの世界観について、wikiにはこう書いてある
人間が暮らす地上世界と、巨木の根をネットワークとして繋がれた別世界タスムンの森が物語の舞台である。
では、起承転結をまとめてみる。
起
登場人物(主に主人公)の背景説明
承
主人公の悩み・苦悩の解説、または苦悩の元となる事件・事故の発生
ボノロン登場
転
ボノロンを通じ苦悩を解決する
または悪役がいる場合は悪役を追っ払う
結
今回の事象を通し、主人公がどうなったか
そしてそれをボノロンが見守る
変則的な方のボノロン
上記のように、基本的にボノロンは「主人公の味方」として登場する。
しかし、中には「主人公と対立する側」としてボノロンが登場することがある。
何話だったか覚えていないが、オオカミが主人公の話がある。
オオカミは文字通り一匹狼で仲間がいない。
空腹を埋めるため獲物を探していたら、鳥の子供(アヒルだったかな・・・)を見つけた
早速そいつに食らいつこうとしたら、あまりに泣きわめくので食べるのをためらってしまい、そのまま自分の住処に連れて帰ってきた
その鳥の話を聞くと、両親とはぐれてしまったようで、それを可哀そうに思ったオオカミは「なんで俺が」と言いながらもその子を育てることにした
その小鳥は、オオカミのことを本当の父親のように好きになった
しばらくして、オオカミの元にボノロンが現れる
「その子の両親が、その子のことを心配して探してるロン。返してあげてほしいロン。」と率直に気持ちを伝えるボノロン。
しかしオオカミは、「ふざけるな!こいつをここまで育てたのは俺だ!」と牙を剥く。
結局その日は小鳥は返さなかった。
しかし、しばらくして考えを変えたオオカミは小鳥に向かって、「俺はお前の父親じゃない。お前が大きくなるのを待ってたんだ。さぁ、今からお前を食べるぞ。食べられたくなければ飛んで逃げろ」と追い詰める。
小鳥は泣きながら飛んでいき、その様子をボノロンが見守っていた。
オオカミは「あいつはまだ飛び方を覚えたばかりだから、あいつを親の元まで誘導してやってくれ」とボノロンに頼む
オオカミの覚悟を受け取ったボノロンは、オオカミの言う通りにした
それから長い年月が流れ、オオカミは衰弱し、1人で死を待っていた。
そこへ、成長し大人になった小鳥が現れる。
「お父さん。ボノロンから全部聞いたよ。あなたは僕のお父さんだ。」
この話を読んだのが結構前で、自分流に少しデフォルメされてる箇所もあると思うが、大筋はこんな感じだったと思う。
こういう風に、”ボノロンが必ずしも味方として登場しない”というところも個人的に好みだ。
僕がボノロンが好きな理由
・無料配布されている
・シリーズものとして飽きられないよう工夫されている
僕が読むうえでのボノロンの魅力はこの2つのみだ。
まず”無料”であることは大きい。
子供に読み聞かせるわけじゃないし、もし普通に書店にあったら「買ってまで読まないな」と思ってしまう。
そしてさっきも書いたように、”シリーズものとして時々変則的な話がある”というのも嬉しい。
しかしこれは飽くまで、子供でもないし、かといって我が子を持っていないという、僕みたいにターゲットじゃない層が読んだ場合の話だ。
ちゃんとしたターゲット(子供)にとっては、もっとたくさんの魅力が詰まっている。
中盤でも書いたが、”命の大切さを教えてくれる”というのも凄く大きいし、作画も柔らかくて可愛いので、子供も読んでいて楽しいはずだ。
最後に
絵本の内容について深く考察すること自体野暮だと思いますが、好きなのでやってみました。
とりあえず子供向けなので、興味のある方は読み聞かせなどのために持ち帰ってみてください。
そういえば、僕のセブン銀行のキャッシュカードもボノロンデザインです。可愛い。
追伸
偶数月枚に無料でボノロンの新刊を配布してくれるセブン銀行に感謝します。