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【95点】無線の先は30年前に死んだ父「オーロラの彼方へ」感想と考察

【95点】無線の先は30年前に死んだ父「オーロラの彼方へ」感想と考察

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この記事はたぶん 7 分で読めます。
ぱっかん
執筆者:ヘタレブロガーのぱっかん(@pakkan316

ニューヨークでオーロラが出現した夜、父の形見の無線を繋げると、その先にはなんと死んだはずの父の声。

傑作タイムパラドックス映画「オーロラの彼方へ」を鑑賞しました。
いつも通りネタバレ無し情報を書いた後にネタバレ・考察していきます。

まだ未鑑賞で、「とりあえず面白いかどうかだけ知りたい」という方は、「※ここからネタバレを含みます。」という文章の直前までを目安にご覧ください。

※関連記事は最後にまとめて紹介します

※当記事は
「オーロラの彼方へ 映画」
「オーロラの彼方へ 感想」
「オーロラの彼方へ 考察」
などのワードで検索される方におすすめです。

予告編(トレイラー)

作品情報

公開年2000年
原題Frequency(訳:周波数)
上映時間117分
製作国アメリカ
監督グレゴリー・ホブリット
脚本トビー・エメリッヒ
ジャンル ドラマ,ヒューマンドラマ,ファンタジー,サスペンス
主要キャスト デニス・クエイド(フランク・サリバン)
ジム・カビーゼル(ジョン・サリバン)
ショーン・ドイル(ジャック・シェパード)
エリザベス・ミッチェル(ジュルア・ジュールズ・サリバン)
アンドレ・ブラウアー(サッチ・デリオン)

ノア・エメリッヒ(ゴルド・ハーシュ)
メリッサ・エリコ(サマンサ・トーマス)
配信サイト・媒体 市販DVD
Netflix…他
※記事公開時の情報です

あらすじ・みどころ

ある日、ジョンはクローゼットの奥から父の形見の無線機を発見する。オーロラの輝く夜、ある男との交信に成功したジョンは、無線機の向こうで男が自分の子供に「リトル・チーフ」と呼びかけるのを聞き、愕然とする。ジョンが無線機で交信した男は、なんと30年前に死んだ父フランクだったのである。

引用:オーロラの彼方へ : 作品情報 – 映画.com

良い点

・「過去の改変」による未来影響の定義がしっかりしてて、「何でもあり」になってない

・メインエピソードに「サスペンス」があるので、感動パートである「親子愛」に頼り切ってない。だからこそグッと来る

・「タイムパラドックス」を応用したギミックが小気味良い

・「盛り上がる要素」を思いつく限り全てねじ込んだであろう、素晴らし過ぎるクライマックス

【ネタバレ無し】感想

父親の無線機で遊ぶジョンたち
父親の無線機で遊ぶジョンたち

久しぶりに「映画らしい映画」を観た気分です。
適度なファンタジー要素で非現実感を出し、その設定を活かしつつ目の前の問題に対処する。

そしてその問題が「殺人事件」という現実的なものであるために、ファンタジー要素が無敵過ぎないバランスなのもイケてます。

「無線で死んだはずの父と交信する」

このプロットだけでもなんかウルっと来てしまいそうですが、逆に言えば「お涙頂戴系の安っぽいストーリーなんだろ」という風にも思えてしまいます。

しかし本作は「過去と交信して感動するだけの安いお話」ではなく、主軸として「殺人事件」があります
その緊迫した状況の中で「親子の絆・奇跡」が描かれるので、だからこそ退屈なシーンや無駄がなく、2時間の間しっかりハマり込むことが出来ました。

また本作は割と「ご都合主義」ではありません
個人的に怖かったのが「7割程度の意思疎通の後、無線の調子が悪くなり通信が急に遮断される」という展開の多用です。

しかし「電波障害」は一度しか使われず、「二人のやり取りの妨害」は他の方法で行われました。
おそらく製作陣は「毎回(脚本上)適切なタイミングでノイズを使うと鑑賞者が冷める」と知っていたのでしょう。

 

あとこれも僕が「創作物」を見るうえで重要視していることですが、主人公二人「ジョン(息子)」「フランク(父親)」の頭が良いのも好印象。

ジョンは警官という設定なので当然ながら相当な推理力応用力を持っていますが、消防士である父親「フランク」の機転も素晴らしい。
製作陣がアイディアを出し合って生み出されたんだろうな、という機転がそこかしこにあり、そういう「予想外の解決方法」が登場する度にどんどん本作が好きになっていきます。

そして考えうる全ての「盛り上がり」を詰め込んだクライマックス
本作以外の作品では絶対に真似できない奇跡のようなシーンでした。

【ネタバレ有り】感想

※ここからネタバレを含みます。
 
 
 
 

ラストまでのザックリストーリー

・無線で未来の息子(ジョン)から「母親が殺される」と聞いたフランクは、ジョンのアドバイスのもと現行犯で犯人を捕まえようと奮闘する。

・しかし犯人に返り討ちにあってしまい、更に犯人にハメられたフランクは連続殺人犯の容疑者となってしまう。

・フランクは友人でもある警官の「サッチ」に拘留され、無線で未来の息子と話していることも告白するが信じてもらえず、取調室からこっそり脱走する。

・息子「ジョン」の機転により、犯人は警官の「ジャック・シェパード」であることを突き止める。

・事件もいよいよ大詰めとなった時、無線で会話をしていたフランクとジョンのもとに、同時に「ジャック・シェパード」が訪れる

・30年前と現在で同時に「ジャック」ともみ合いになるジョンとフランク。

・「現在」では、もみ合いの末にジャックがマウントを取り、ジャックに銃を突きつけられるジョン。

・しかし「過去」ではギリギリのところでフランクが勝ち、フランクはジャックの左手をショットガンで吹き飛ばす。

・「現在」で、急に左腕がなくなっていくことに驚くジャック。そして今度は「誰か」がショットガンでジャックを撃つ。

左腕が消え驚くジャック
左腕が消え驚くジャック

・ショットガンを発砲した者の正体は「老人となったフランク」で、フランクはジョンに向かって「死ななかったぞ、チビ隊長」と言い二人はハグをする。

30年ぶりに再会するジョンとフランク
30年ぶりに再会するジョンとフランク

「タイムパラドックス」の定義がしっかりしている

「30年前のイベントを書き換えるとどうなるか」の定義がしっかりしています。
だから割と「なんでもあり」になっておらず現実味を帯びています。

だからこそ「殺人事件」や「タイムパラドックスを活かしてどうやって犯人を捕まえるか」そして「どうやって家族を生き残らせるか」緊迫して楽しめます

「タイムパラドックス」を応用したギミックが小気味良い

床下の中から「30年前の父の財布」を取り出す
床下の中から「30年前の父の財布」を取り出す

「30年前に付いた“犯人の指紋”を30年後に警官の息子が調べる」

父親のフランクが「犯人の指紋が付いた財布」を床下に隠し、それとリアルタイムに見える演出で、息子のジョンが床下から財布を取り出す。
でもジョンが拾い上げた財布は30年の時を経ているので、当然ボロボロになっています。

たったそれだけのシーンでも「時空を超えている」という神秘さが感じられます。

もちろん他にもいくつかのギミックがありますが、単純に「30年前のサリバン一家」と未来のジョンが会話するシーンもとてつもなく美しかった。

あのシーンは本筋に強力な影響を与えるものではありませんでしたが、だからこそ感極まるものを感じました。
(「Yahoo」のやり取りはラストへの伏線になってましたが)

最高のクライマックス

生存ルートを辿ったフランク
生存ルートを辿ったフランク

本作のラストは本当に、本当に素晴らしかった。
その「奇跡」に巻き込まれているというだけで、敵である「ジャック・シェパード」にすら好感が持てるほどに愛しいクライマックスでした。

火事で死ぬはずだったフランクが最初に延命した時、そしてフランクがタバコの箱を握りつぶしてしてた時、我々は「フランクが延命して未来のジョンと再会(実際には再会ではないが)する」というラストが来ることは想像できます。

そして確かにそういうラストが来ました。
しかしそのラストの演出が予想をはるかに上回る出来だったので、心の底から感極まることができました。

 

敵の「ジャック」が無線越しに過去のやり取りを聞いた際のリアクションすら愛おしい。

どことなく「僕だけがいない街」の敵の心境とも通ずるものを感じました。

考察

「タイムパラドックス」の定義について

・ジョンのアドバイスにより30年前のイベントが変わると、その後の結果は「ジョン以外」は全て無意識で書き換わる

・しかしジョンだけは「イベントが変化する前と後、両方の記憶」を所有している

・ジョンやフランク以外で唯一「ジャック」だけが、「腕がなくなる」という描写で「バタフライ効果」を体感しており、このことから「無線に関わった当事者だけがイベントの変化をリアルタイムで体感する」と推測。

もしかしたら上記の定義にはいくらかのほつれがあるかもしれませんが、もし矛盾点があれば教えてください。

なぜフランクが生き残ると殺人は続くのか

火事で死ぬはずだったフランクが生き残る

それにより、もしフランクが死んでいたらさすがに一時休職していたであろう妻の「ジュリア」が普通に病院で働く

その際ジュリアは医者の医療ミスに気付き、一人の患者の命を救う

その患者こそが「ジャック」で、これによりジャックが生き残り事件が続いた。

一見すると「フランクが何かをしたことで事件が続いた」と捉えてしまいそうですが、このように事件が続いた理由はとても間接的なものでした。

ラストの「ジャック」はどういう心境だったのか

クライマックスでは、「ジャック」がフランクとジョンを(30年の時を経て)同時に襲います。
この時「過去側のジャック」は「フランクが自分を追い詰めようとしている」という動機があったのは間違いないと思います。

そして現在では、ジョンがジャックに「お前の人生を30年ごといただく」と挑発まがいのことをしたので、それがきっかけでジョンを襲ったように見えました。

多分実際にそうだったのかもしれません。

 

しかし30年前にフランクによって左手を破壊され、そしてフランク一家にも正体を見られたので、このまま警官を続けることや、退職後に私立探偵になることは不可能だったと思います。

つまりジョンを襲った時のジャックは、おそらく指名手配され逃亡中の身だったことでしょう。
だからフランクがジャックの左手を撃ったことにより、「お前の人生を30年ごといただく」というやりとりすら消えたのです。

でもそうなると今度は、「ジョンを襲った時にまだ左手がある」という点で矛盾が生じます。
ちょっと無理やりですが、僕はこの矛盾点を先ほどの「タイムパラドックスの定義」になぞらえて解決しました。

それが「無線に関わった当事者だけがイベントの変化をリアルタイムで体感する」ということです。

自己補完するのがとても難しいですが、無線機に携わった者だけが「バタフライ効果」を体感すると定義付ければ、なんとなく納得できる気がします。

評価・まとめ

95点

想像以上の大傑作でした。
数年前に連続ドラマとしてリメイクされてるようですが、とりあえずそちらは観る気が起きません・・・。

レビュー
レビューした日
レビュー作品
オーロラの彼方へ
総合評価
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Trash Area(筆者のバンド)のオリジナル曲

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